2度目の尾道〈大阪発・青春18きっぷ旅〉

夏に遊んだ記録を綴る。といっても今回で夏の思い出について書くのは最後だ。

今年の夏はめずらしく友達を誘いまくって遊んでいたので全然1人旅をしていなかった。この夏にも1度くらいは1人でふらっと行かなくちゃなぁと思っていたので夏の最後に1人旅。そのために青春18きっぷも2回分残しておいたのだ。

行けるのは青春18きっぷの使える期限ぎりぎりの日程になった。その2日間しか残されていなかったので雨が降ったら最悪。完全なる運試し。結果は晴れた。クソほど暑いくらいに晴れた。そろそろ雨男も返上といったところか。

行き先をどこにしようか散々悩んだんだけど、尾道に行くことにした。尾道に行くのはこれで2度目だ。初めて行ったのっていつだろうと考えてもわからないんだけど、このブログを遡ればいつに行ったのかはっきりわかる。こういうのがブログのいいところだ。初めて行ったのが2015年だから4年ぶり。

尾道へ行って何をするかはまったく決めていなかったけど、しまなみ海道をサイクリングすることだけはなんとなく決めていて、どうせなら途中の島で宿泊するのがいいんじゃないかと思い、宿を調べる。と言っても調べ始めたのは2日前くらいで、もう全然空きなんてなかった。となれば泊まるのは尾道だなということになり、尾道で1泊なら1日はサイクリングで1日は尾道散策という4年前とまったく同じことをすることになった。

しかし、今回はサイクリングで前回よりも進むぞと決めていた。なんせ前回は向島にしか行っていない。今回はもう1つ進んで因島までは行こうと。一気に進まないのは何度も尾道に来るためだ。楽しみを残しておけば、また来る機会がある。それくらいには尾道のことを気に入っているのだ。

1日目、始発に乗って出発。ここで失敗。JRの始発に乗るためには阪急の始発では間に合わなかった。ということで大阪駅まで歩いたんだけど、よく考えたら始発の電車は塚本駅にも停車する電車だった。自宅からだと大阪駅より塚本駅の方が断然近い。徒歩時間にして30分くらいは近い。30分も無駄に歩いたのだ。なんなら間に合わないぞと少し走ったりもした。なんだったんだ、あの移動時間は。

電車に乗ってからは順調。人は多かったがしっかり座席を確保することができた。ひたすら電車に揺られ尾道に到着。

尾道駅

1日目にサイクリングをすることに決めていたので、尾道に着いてからすぐにレンタサイクルへ。どうやら観光客が多いらしくクロスバイクが残り数台しか残っていなかった。しまなみ海道を走るのにママチャリとクロスバイクでは随分と気分が違う。なんとかクロスバイクをゲットできてほっと一息。

まずは向島へ船に乗って。

向島行渡船のりば

向島で行きたいところもあったのだが、どうせ尾道まで戻ってくるので帰りに寄ろうとまずは因島へ向かうことにした。しまなみ海道サイクリングで初めて橋を渡ることになる。これがきつい。

橋

橋は高いところにかかっているため、橋の入り口に向かうためには結構な登り坂になる。この橋を渡るための登り坂が一番きつい。

橋の入口 橋からの景色 橋の端

無事因島に着いたはいいが目的地を決めていない。ここがポルノグラフィティの地元かと感じるだけである。とりあえず目的地を決めよう。昼食をとればいいじゃないかと思い、iPhoneでご飯屋さんを調べた。そこで気になったのがカレー屋。旅先でまでカレーを食うとは。なんせこの調べたお店のカレーがなかなかよさそうだったのだ。大阪でスパイスカレーを食べまくっているので、食に興味のない僕だがカレーだけは舌が肥えている。どんなものかなとどうしても興味がそそられる。

しかし、そのカレー屋は遠い。なんならしまなみ海道のサイクリングコースからは外れるような場所なのでお店が近づくにつれ自転車に乗っている人が減ってくるのだ。暑くて汗だくなので当然途中で休憩もとることとなる。たまたま通ったお店のカフェオレ大福で糖分補給。

カフェオレ大福

このお店のおばちゃんが「これからどこ向かうの?」なんて聞いてくるから、僕は「特に決めていない。」と答える。正確にはカレーを食べに行くわけだが、この質問の意図は昼食をとったあとのことだ。おばちゃんは「生口島に行けばアイス屋さんがあるよ。」と言った。調べてみるとなかなか人気のジェラート屋さんのようだ。正直、因島から先の島へ行く気はなかったのだが、聞いてしまった以上行くしかない。僕はそういう男だ。

無事カレー屋につき念願のカレーにありついた。これがなかなか当たりだった。お店の人がすごくのんびりしているのが気になったが。しかし、これはせっかちな人が多い大阪に住んでいるとだいたいどこに旅行しても感じることだ。

さて、生口島へと向かう。正直、この時点で体力的にきついだろうなぁと思っていた。クロスバイクを長い時間漕ぐといつもケツが痛くなるのだが、この日も僕のケツは悲鳴を上げていた。ジェラートを食べに行くのはいいが、帰ってこれるだろうか。冷静に判断すればやめておいた方がいい。しかし、ジェラートの情報を得てしまったからには行くしかない。

また自転車を漕ぎ始め、生口島へと渡る橋へ。また登り坂だ。帰りにこのような坂を2度登らないといけないと思うと地獄かと思った。

生口橋 生口橋料金所

へろへろになりながらなんとか生口島へ着き、ジェラートにありついた。

ジェラート

しかしもうこの時点でしんどすぎて帰ることしか考えていなかった。しかし帰れるだろうか、少し不安になってくる。

また自転車を漕ぎ始めるのだが、もはやこれは観光ではない。トレーニングだ。とてもハードなトレーニングだ。しまなみ海道に来て、自分を追い込んでどうする。くそっ、あのおばちゃんが生口島の情報さえ口にしなければ。あの一言さえなければ僕は因島から尾道へ向かって引き返したというのに。

生口橋からの景色

何度も休憩を挟みながらなんとか因島へ。しかし、因島で走っている途中、もうどうやっても自転車を漕げなくなり自転車を押して歩くことに。何度かふくらはぎがつった。マジでトレーニングだよ。なんとかかんとか向島へ着いた。向島では行きたいところがある。そんな状態でも僕はそのお店へ向かうことにした。チャレンジ精神旺盛な男だよ、まったく。

しかし、その行きたかったお店はクソほどへんぴな場所にあって、どうにもこうにもたどり着けなかった。途中まで行ったというのに。次回来た時には必ずリベンジする。

向島では最後の根性を見せ、自転車を降りることなく漕ぎ続けた。なぜ旅行で根性を見せる必要があるのだ!? そしてとうとう向島から尾道へと渡るため渡船乗り場へ。しかし、この乗り場がどこかわからなくなり迷った。ここで思い出したが、4年前もまったく同じルートで道を間違えていた。これは僕が悪いのではない、道が悪いのだ。

船の中

ついに尾道まで戻ってきた。とにかく汗を流したい。宿泊するホテルは行きの電車の中で予約しておいた。4年前に泊まったホテルとまったく同じホテル。当日に取るとほとんど選択肢がなくそこになっただけ。4年前も当日に決めた。チェックインを済ませ、シャワーを浴びる。4年前もこんな感じだった。4年前はシャワーを浴びたあとベッドに横になるとそのまま寝てしまった。確か寝ないで来たはずだ。そしてそのまま夜まで寝てしまい、晩ご飯を食べようと外に出てみるも閉まっているお店も多くがっかりしたのを覚えている。だからこそ今回は寝てはいけない。尾道ラーメンを食べねば。前回は食べられなかったのだから。今回も眠かったがなんとか耐えてラーメンを食べに繰り出す。開いている、お店が開いてるぞ。当たり前だがリベンジが達成できるかと思うと嬉しい。

尾道は夜の散歩もすごく楽しいのだ。

夜の散歩風景 夜の尾道駅 夜の船

無事ラーメンにありついて、自転車に乗っていたので封印していたアルコールを。最高だー!! こうして1日目が終わったのです。

2日目の朝は早い。時間は有効に使わないとね。2日目に何をするか。尾道の街をぶらり。まずは古寺めぐり。

尾道観光案内地図

前回来た時とまったく一緒ではないか。とはいえ、前回行けなかった寺があるので行きたかったんですよね。一番メインみたいな感じになっている千光寺。千光寺まではロープウェイがあるんだけど、そんなの登るに決まってんだろ。ロープウェイで行って何が楽しいんだよ。

歩き出して10分もすれば汗だく。まだ朝早いというのに暑すぎるではないか。どうりで誰も歩いてないわけだ。本当に全然人が歩いていない。えっ、観光客少ないの? はたまた古寺めぐりは人気ないのか。確かに尾道はおしゃれなお店なんかも多いからいろんなお店をまわる人が多いんだけど。

古寺めぐり中

僕も行きたい本屋があったんだけど、今回は完全に忘れていたので行っていない。

そんなこんなで坂を登り続けて千光寺が近づいてくると、なんと人、ヒト、ひと。なんだよ、ロープウェイ勢かよ。つまらん人たちだ。あまりにも暑く、坂を登ってきたこともあって、立ち止まると汗が止まらなくなった。サウナなんかより汗かいてるぞ。ちょっと涼しいところで休むことにした。

千光寺からの景色 コーヒーフロート

さて、ここから特に目的はなくなった。朝早かったこともあり時間はたっぷりだ。どうせなら、この古寺めぐりのコースを網羅してやろうかと思ってとにかく歩き続けた。ときおり写真なんか撮りながら。それでもただただ汗をかくだけの時間。歩くのが好きな人間はこうなる。それに加え、こういう時にすべてを網羅したくなる人間なので、歩き回ってiPhoneで地図を確認して、まだこの道通ってないぞと思ったらそこへ向かう。その道を通ったところで何もないんだけど、そんなことを繰り返す。とんだ散歩バカ。

途中はこいつらに出会うのを楽しみにしていたりする。

眠る 隠れる

そうこうしていると寺のある坂道だらけの道はある程度網羅できた。

黄色い電車

その後は商店街をぶらり。時折、人が並んでいるお店もちらほらと。そんなこんなでお昼時になっていたのだ。たくさんお店があるが、なぜだか特にどこかに入る気持ちにもならず、商店街を端から端まで歩いただけ。朝食はホテルのバイキングだったんだけど、パンに米にと和洋どっちも食べに食べたので、昼食を食べる気にもならず、そのまま駅に向かい電車を待つことにした。

駅までの道

尾道駅は前回来てから新しくなっており、新しいお店なんかもできていたので寄ってみることに。

レモネード

大阪までは青春18きっぷを使い、乗り継ぎがうまくいけば4時間くらい。少し早めに帰宅することにした。しまなみ海道はまだ制覇していないし、やっぱり尾道が好きだと思ったし、たぶんこれから何度か通うことになるだろう。瀬戸内の島によく行く僕は高松にもしょっちゅう行くんだけど、高松に続いてよく旅行する場所になりそうだ。

こうして9月上旬にて2019年の夏を締めくくった。そろそろ冬眠の準備を進めて、来年の夏のためにお金を貯めようかと思う。