フォークではなくお箸で

晩ご飯用にコンビニで麻婆豆腐焼そばを買った。
大変おいしくて、麻婆豆腐好きの私も大満足であった。

そんな麻婆豆腐焼そばを購入した時の話をしよう。

特に他に買うものもなかったので麻婆豆腐焼そばのみを手に取りレジへ向かった。レジにいた店員は私と同年代の男性であった。

「あたためますか?」

当然こう聞かれる。私はいつもお弁当の類は家に持ち帰り、自宅の電子レンジであたためるので断った。

「お箸とフォーク、どちらにしますか?」

パスタじゃないんだからお箸一択じゃないのかと思ったが、確かに麻婆豆腐はお箸では食べにくい。どちらにすべきなのか店員さんが迷ったのも無理はない。
しかし私は地球にやさしい男。お箸などはいつも受け取らないことにしている。割り箸を作るために自然環境がどれだけ破壊されているか知っていますか?
私は知らない。
とはいえ私に割り箸が必要ないのは事実なのだ。家に帰ればお箸くらいはある。だからお箸かフォークかの選択を迫られたが、こう応えた。

「なしで」

ご丁寧に必要ありませんよと身体の前で手を横に振って応えた。ボディーランゲージまで加えたのだ。

「フォークで」

我が耳を疑った。断ったというのに店員はフォークと言ったではないか。“なし”を“箸”と聞き間違えたなら納得できるのだが、あろうことかフォークと言った。

ここでさらに驚くことが起こった。店員は「フォークで」と言いながら、お箸を袋に入れたのである。店員も疲れているんだな。言い間違えくらいあるさ。

ちなみに麻婆豆腐焼そばは麻婆豆腐が焼そばにうまく絡んで、お箸でもしっかり掴むことができ大変食べやすかった。