もしも彼女がふんどしを履いていたら

今の時代、何が起こってもおかしくはない。
事実信じられないようなことも起こっていたりする。
普段からそういう気構えでいるから、特別驚くことはないのだけれど、たまには驚くこともあるものだ。

無職である私はよくネットサーフィンをする。むろん無職でなくてもする。いつものようにネット上を彷徨っていたとき、驚くものを発見した。なんと女性用のふんどしがあるというではないか。

「ふんどしブームが来ています!」とまで書かれていた。

調べてみると雑誌「anan」にまで載っていたらしい。なんならテレビ番組でも取り上げられたようだった。さらに私は調べてみるべく、女性用のふんどしが売られているというサイトを覗いてみた。

▶︎おしゃれふんどし専門店シーピース

そこにあったのは私が想像していたものとは全然違った。なんなんだ、これをふんどしと呼ぶのか。どういったものだったかは以下の画像を見てもらうことにする。

スクリーンショット

どうやらこれがふんどしらしい。ふんどし姿の女性を見て笑おうと思ったのに少しドキッとさせられるではないか。たぶん私が想像していたふんどしがどういったものだったかは、これを読んでいる人にも伝わっていることだろう。

ということで以下は私が想像していたふんどしだった場合と想定して読んでいただきたい。

前もって伝えられた場合

今日は久しぶりに彼女とデートだ。最近会えていなかったから、この日を楽しみにしていた。といっても特別なことは何もしない。夕方に待ち合わせ、一緒に映画を観る。映画を観終わったら、ご飯を食べに行く。この日のために前もって人気店を予約しておいた。この店は正解だった。本当においしかった。その後バーへ行き軽くお酒を飲む。
もう終電の時間だ。

「これからどうする? ウチ来る?」

彼女にそう聞くとなんだかモジモジしている。

「今日、ふんどしだから……」

もうこの時点で頭がパニックである。完全に思考停止。これ以上何も言えなくなる。「そっか……」と答えるのが精一杯。結局この日は駅で別れた。家に帰ってからも私はふんどしのことで頭がいっぱいで眠ることなどできるはずもない。一体なんで、ふんどしを履いている? わからない、わからない、わからない。そして朝を迎える。

直前に伝えられた場合

今日は久しぶりに彼女とデートだ。最近会えていなかったから、この日を楽しみにしていた。といっても特別なことは何もしない。夕方に待ち合わせ、一緒に映画を観る。映画を観終わったら、ご飯を食べに行く。この日のために前もって人気店を予約しておいた。この店は正解だった。本当においしかった。その後バーへ行き軽くお酒を飲む。
もう終電の時間だ。

「これからどうする? ウチ来る?」

彼女にそう聞くと、嬉しそうに腕を組んできた。そのまま2人で私の家へ。お互いシャワーを浴び、ベッドへ入る。久しぶりに会ったのだから当然私は彼女に手を出す。彼女も乗り気だった。キスから始まり、服を脱がしていく。そのときである。

「今日ふんどしだから恥ずかしいな」

一瞬この言葉が理解できなかった。しかし私は好奇心旺盛なのである。

「ふんどし? ふんどしぃ!? 今ふんどし履いてんの?」

小学生かのように一気にテンションが上がる。

「ちょ、どんなん、どんなん、見せて」

さっきまで勝手に脱がそうとしていたのに、見せてと頼んでいるではないか。もうこの時点で気持ちは萎えている。ここからはもうふんどしにしか興味がない。ふんどしの中身などどうでもいいのだ。結局、ふんどしを見ることに成功した私は満足して眠るのである。

脱がしたときに気づいた場合

今日は久しぶりに彼女とデートだ。最近会えていなかったから、この日を楽しみにしていた。といっても特別なことは何もしない。夕方に待ち合わせ、一緒に映画を観る。映画を観終わったら、ご飯を食べに行く。この日のために前もって人気店を予約しておいた。この店は正解だった。本当においしかった。その後バーへ行き軽くお酒を飲む。
もう終電の時間だ。

「これからどうする? ウチ来る?」

彼女にそう聞くと、嬉しそうに腕を組んできた。そのまま2人で私の家へ。お互いシャワーを浴び、ベッドへ入る。久しぶりに会ったのだから当然私は彼女に手を出す。彼女も乗り気だった。キスから始まり、服を脱がしていく。私の手が下半身の方へ伸びた。ここで私は自分の目を疑う。彼女がふんどしを履いていた。とても驚いたが、彼女の姿があまりにもおもしろくて爆笑する私。

「えっ、えっ、なんで? 何これ? どういうことやねん」

私は小鼻をふくらませ、笑いをこらえながら彼女をからかい始める。当然ながら気持ちは萎えて、その日は2人で笑いながら寝る。

結論

男に体を許したくなければ、ふんどしを履け!