僕が背中を押された1冊。「私がマッキンゼーを辞めた理由」

現在、僕は無職なわけですが、会社員を辞めるという決断を下すのにものすごく時間が掛かりました。
当然葛藤もありました。
前の仕事を辞めるということを周りの人に報告しても、だいたい聞かれたのは次の仕事は決まっているのかということと、親切なんだかよくわからない、次決めてから動いた方がいいよというアドバイスばかり。

世の中の人は職を失うことをどれだけ恐れているんだと思いました。
確かに僕自身も怖かったのは怖かったです。
正直もう34歳ですからね、転職もなかなか厳しいんですよ。

そんな中、会社を辞めるという決断をするにあたって、背中を押された本が何冊かあります。

今日はその数冊の中から1冊を取り上げたいと思います。

東京大学の大学院を出て、マッキンゼーに就職したのちに芸人になった石井てる美さんの本です。

石井てる美って聞いて、誰だかわかる人がどれだけいるでしょうか。
僕はこの本が出版された2013年には彼女のことを知っていたので、たまーにテレビに出てきた時に頑張ってるなぁなんて思いながら見ていたりするのですが、たぶんまだ世の中的にはそこまで認知されていないでしょう。

そんな彼女の書いた「私がマッキンゼーを辞めた理由 ―自分の人生を切り拓く決断力―」という本の内容がとてもよかったのでご紹介。

人生は一度きり

自分の人生は一度きりだと誰もがわかっているはずなのに、そういうことを意識しながら生きている人はどれだけいるのだろうか。
僕はことあるごとに人生は一度きりだからってよく考えるんだけど、あまり考えないものなのかな。それとも考えるのを放棄しているのでしょうか。

例えば、自分の幸せがもっと別のところにあるとわかっているのに、毎日違和感を感じながら生きているとしたら……。そんな生き方嫌ですよね。
それでも我慢して生きていくしかないと諦めている人も結構いそうですね。
でも、そうやって生きて、死ぬ時に後悔しないのだろうか。
もしかしたら、そういった選択をしたことを自分自身で納得させて生きているのかもしれませんが、そんな生き方でいいのか。
石井さんもこのように書いています。

「やりたいことをやればよかったな」「もっと冒険したかったな」そんなふうに後悔しながら死ぬのはイヤだとあるとき痛烈に感じたのです。だから、私は決断しました。それ以来、散々周囲から「もったいない」と言われてきました。「もったいない」の定義は人それぞれです。しかし、私にとって本当にもったいないのは、お金やステータスを手放すことではなく、やりたいことに挑戦せずに一度しか無い人生を終えてしまうことでした。

僕は後悔したくないからこそ、自分の心に正直に生きることに決めました。

決断は難しい

自分の幸せが別のところにあるとわかっていても、いざそっちの道に進むと決断することは難しいことのように思います。
僕自身もなんかわけもわからず会社員を10年もやってましたから。
人って簡単に流されるんですよ。
なぜって流されるのが楽だからだと思います。
あと、生きていくのが結構大変だから、仕方なく流されている側面もあるかと。

そうだとしても決断する人生にしたいと思いました。
何かを変えようと思ったら挑戦はつきものなのです。
ただ挑戦にはリスクが伴うことがほとんどですよね。
そういった何かを失うリスクが決断を難しくさせているのです。
ある意味決断はもう一方の道をあきらめるという選択になるかもしれません。
僕の場合は会社員として生きていく道がなくなるかもしれません。転職しようにもブランクがあったり年齢だったりでなかなか難しくなってくることでしょう。

ただ、やっぱりやらない後悔よりはやった後悔を選びたいんですよね。
挑戦さえすれば、やらない後悔を1つ潰すことができるわけですから。
一番怖いのはそれだけリスクを冒して挑戦しても、ローリターンかもしれないってことです。
そう考えると余計に決断するのが難しくなります。

決断がときに困難なのは、何かを手にする代わりに「過去に手に入れてきたもの、今手にしているもの、将来手に入れられたかもしれないもの」を失うリスクがあるからです。自分が本当にワクワクすることに近づこうと決断して、それらをやむを得ず手放そうとするとき、人は「もったいない」と言います。

このようなことが書かれていたりもしますが、まったくその通りですね。

失敗でもいいじゃない

決断は確かに難しいんですが、とりあえずやってみるってのもいい選択なんじゃないかなと思うわけです。
やってみてダメだったら、また引き返せばいいだけの話。
その先はまたその時考えましょう。
やり直せばいいんですよ。
なんだってその気になれば取り戻せるんじゃないかな。
取り戻せないものは命くらいだって考えておけばいいのかも。
石井さんのこの言葉にも勇気をもらいました。

仮にもし何かを失ったとしても、代わりに、人生流されて終わったのではなく、自分のやりたいことに挑戦した経験というかけがえのない宝物を手に入れられるはずです。

宝物手に入れましょう。

挑戦は損な側面がある

なんとか決断して挑戦しても、冷静に考えると無謀なことも多々あります。
見切り発車で決断してしまう人もいるでしょう。
僕なんか、先のことは会社辞めてから考えようって思って、実際会社辞めてから今めちゃくちゃ困ってますからね。えぇ、バカです。
実際会社員って得ですからね。

高学歴の人ほど守りに入ると言われています。それもそのはずです。高学歴から大企業の正社員総合職に就いたら、安定した給料、退職金や企業の厚生年金、社会からの信頼、世間体……あまりにもいいことがたくさんあるように日本の社会ができているからです。

確かにしっかり考えてみると、自分一人で生きていけるだけの突出した能力がないと、挑戦は損であることは事実だと思います。
ただ、決断してからは自分がどれだけやるかってことですからね。
もう、決断を自分自身のチカラで正解にしていくほかありません。

周りの人間に惑わされない

やっとの思いで決断しても、周りの人はだいたい冷たいもんです。
失敗を願う人すら出てくるでしょうね。
そういう人は自分が挑戦できないからこそ、挑戦する人に成功されたらたまったもんじゃないと思うらしいです。

ある友人に言わせると、「大人になったら夢をあきらめて、現実的な社会の枠の中でそれなりにやりがいのある仕事を見つけて我慢して生きていくもの」だそうです。それなのに「その枠から逃げ出して一人夢を叶えようとするなんてズルい」のだそうです。さらに金銭的や社会的に成功された日にはたまったもんじゃないそうで、「お笑い芸人とかやってるらしいけど、全然売れてないじゃん。言わんこっちゃない」そう言うことで溜飲を下げることができるのだそうです。

決断したあとは周りに置く人間は同じ志向の人を置くべきでしょうね。
それだけで簡単にモチベーションが上がったりします。
逆に全然タイプの違う人と接してしまうとどんどん不安になってしまうから注意しないといけません。
僕も安定志向の友達と会うと不安になって転職サイトを眺め始めたりしてしまいます。
それくらい人間は弱いので、誰と付き合うかは重要ですね。

最後に

この本の中にはこれから何かに挑戦しようとしているけれど、なかなか決めきれない人に向けた言葉がたくさんあります。
そんな言葉によって決断すること自体を軽く捉えられるようになるかもしれません。
無謀だと思えることでも、自分の心の声に従うということも大事なことだと思います。
むしろそれこそが自分らしい生き方なのではないでしょうか。
決断するには勇気が必要だと言われがちですが、僕は勇気よりも覚悟の方が必要ではないかと思っています。
覚悟を決めるだけで、一歩進むことができるかもしれません。
挑戦しない人生よりは挑戦する人生の方が数倍かっこいいじゃないですか。
挑戦しましょう。