「おおきなったなぁ」
誰もがそうだと思うが、子供のころあまり会う機会のない親戚に会うと必ずのように言われていたと思う。
自分では大きくなった実感などないのに、そんなことばかり言われるから、大きくなったのかなと不思議な気持ちになったものだ。
この「おおきなったなぁ」という言葉はおじさん、おばさんのためにある言葉なのかもしれない。
月日は流れ、僕にも甥っ子や姪っ子ができ、僕はおじさんになった。
そして、年に1回会えばいい方かなという子供たちに会うと、必ずといっていいほど出てくるのである。
「おおきなったなぁ」
第一声はもうこれしか出ないのではないか。
子供の成長は早いもので、1年ぶりに会うと本当に大きくなっているのだ。
自分が子供のころに言われていたことにも納得。
ふと、このセリフ以外に言うことがないのかと考えてみたけれど、いくら考えたって「おおきなったなぁ」が一番だ。
久しぶりに会った親戚の子供にいうセリフ、66年連続第1位なだけある。
そして次の正月を迎えた時にもお年玉を渡しながら言っているに違いない。
「おおきなったなぁ」
ちなみに久しぶりに会った親戚の子供にいうセリフ、2016年の第2位は「おっちゃんのこと覚えてるか?」である。