漠然と移住したいなとずっと思っている。今そう思っている理由は、自分は人が多いところではストレスを感じすく、とにかく人が少ないところにいたいという思いが強いということ。今の歳になって、自分自身のことをより理解し、自分にこういう傾向があるということは確かだと思う。
しかし、地方に住みたいと初めて思ったのは今から10年以上前の30歳くらいのことだったと思う。自給自足で生きていきたいと思ったことがきっかけだったのではないかと思う。人生に刺激が足りなくて、それくらい毎日刺激のあるような生活を求めていたように思うし、そもそも働きたくないと思っていたこともなくはないと思う。今日は天気が悪いから家にこもっていようとか、今日は魚が食いたいなと思ったら魚を釣りに行くとか、とにかく毎日自分の気持ちに正直に生活を送りたいと思っていた。やりたくないことはやらないし、ただただやりたいことだけやって生きていきたい。お金がなければ、腹を満たすために野菜を作るとか、より原始的な生き方に興味を惹かれていた。そもそもそんなにお金には興味がないし、世の中からお金がなくなって資本主義じゃなくなったらどんな世界になるだろうと思っていたりもした。そんなこともあってか物々交換とかが成り立ちそうな田舎には俄然興味を持ったのである。
とはいえ、現代に生きてきてしまったがゆえに移住するにもお金が必要なんじゃないか、お金を稼ぐなら仕事が必要だよねと考えていた。当時、「遅咲きのヒマワリ〜ボクの人生、リニューアル〜」というドラマがやっていた。主演の生田斗真さんが地域おこし協力隊として移住するところから話が始まっていた。地域おこし協力隊というものをこの時に知る。移住した先に仕事がなくても、地域おこし協力隊になれば3年はお金を得ることができるじゃないかと思って、実際に書類選考を通過した高知県のとある自治体まで面接を受けに行ったことがある。倍率も高く、残念ながら採用されることはなかったのだが、あの時受かっていたらどんな人生になっていたのだろうか。今とはまったく別の人生だったに違いない。
その後、僕は地方に住んだとして、別に会社員じゃなくてもいいじゃないか、インターネットさえ接続できればできる仕事をフリーランスでやればいいのではないかと考え、ネット関連の勉強を始めたりした。
そうこうしていると、こんなことが本当に起こるのかというようなことが起こった。新型コロナウイルスのパンデミック。しかし、これをきっかけにリモートワークというものが普及した。僕が望んでいたような働き方がサラリーマンでもやりやすい世の中になった。

そんなコロナを機に移住したところから話が始まる「サンセット・サンライズ」を観に行った。実のところ移住の話だということは全然知らなかった。なんなら前情報は何も持っていない状態だった。知っていたのは、脚本が宮藤官九郎さんということだけ。そう、クドカンが脚本なら観に行こう。その理由だけで観に行った映画である。
移住して地元住民とのあれこれを描いたヒューマン・コメディなのですが、なにより出てくるご飯が全部うまそう。海鮮が豊富なところっていいね。三宅健さんや好井まさおさんが出てるのも僕としては嬉しかったり。
そんなことより、改めて好井まさおさんのこと検索したら井下好井がすでに解散してたのを知った。