心地よいエッセイ|ブルーハワイ

旅行に行っても、フェスに行っても、映画を観ても、まだまだ遊び足りないなと思ってしまう。やりたいことは多々あるのに、たいしてやりたくもない仕事に時間を使っていることに納得がいっていない気もする。だいたいの人はそういったことに折り合いをつけながら生きているらしいのだが、40歳を過ぎてもなお、僕はそういったことに折り合いをつけられないらしい。たった一度きりの人生で、たかだか100年程度しかないわけだから、好きなことばかりして生きていたいなと思っているのだが、世の中はどうもそれを許さない。

やりたいことは多々あるはずなのに、仕事で消耗して、なかなか楽しいこともできなくなるときがある。そんなときはたいがいカフェに行って読書をしている。気力がなくてそれくらいのことしかできなかったりもするのだが、そんな時間もかなり好きだったりする。カフェまでの道を歩いている時間もなかなかいい。そもそも僕は散歩が好きだった。

読んでいない本が手元にない状態が嫌で、出掛けるたびに本屋に寄り、気になる本を買ってくる。だから今も家にはまだ読んでいない本が数冊ある。日々そういった本を読んでいると、ただの作業のようになってしまうこともあるような気がするのだが、久しぶりに読んでいて、とても心地よい気持ちになる本があった。

燃え殻さんの「ブルーハワイ」。

燃え殻さんの本は過去に何冊か読んでいて、とても好きな作家さんなのだが、最近全然読んでいなかった。久しぶりに読んでみるとやっぱりとてもいい気分になる。書いてある内容なのか、文体なのか、燃え殻さん自身なのか、自分が何に惹かれているのかわからないし、わかりたいとも思わないけれど、とにかく好きなのだ。

最近読んでいなかったこともあり、まだ燃え殻さんの本で読んでいないものが何冊かある。次、本屋に行ったときには確実に手に取っているはずだ。ただ、この「ブルーハワイ」を買うときに燃え殻さんの他の本を買おうかと思ったが、持っているような気がして買えなかった。「ブルーハワイ」だけは買っていないとなんとなく確信してこれを買った。今度本屋へ行ったときのために、今どの本を所有しているか本棚を確認する必要がある。おそらく5冊以上は持っているはずだ。