ピース又吉さん原作の映画2本観てきた

なんだか遊びに行きにくい世の中なので、映画を観ています。最初のうちはnetflixでいろいろ観ていたのですが、テラスハウスの放送がなくなったのでnetflixは解約。よって最近は映画館へ。

最近観たのが、「劇場」と「僕の好きな女の子」。どちらもピース又吉さん原作です。もちろん原作も読んだ上で映画を観に行きました。

原作本

「劇場」は山崎賢人さんが主演で、なぜこのキャスティングなの? なんて思っていたんですが、観てみるとそこまで悪くなかった。ただ関西出身の役だし、猫背で全体的にダメな感じとか出すんだったら、普通に菅田将暉さんでいいよねって思ってたりもしたんだよねぇ。映画の出来自体には大満足。さすがの行定監督。まぁ、何より原作がいいですからねぇ。

「僕の好きな女の子」は又吉さんのエッセイが原作。これがとてもよかった! というか僕自身が又吉さんと感覚が似ているもんで好きなタイプも似てるんだと思う。奈緒さんが演じていた女の子、ハンパなくタイプだったもん。あんな子現れたらすぐ好きになるなぁ。例えば待ち合わせのシーン。

 

 僕は駅前のベンチに座り、ウォークマンで音楽を聴きながらキミが来るのを待っていた。
 改札から大勢の人が流れてきたから、その中にいるはずのキミを、キミが僕に気付くよりも先に見つけたくて必死に探したけれどキミはどこにもいなかった。似たような髪型の人を見かけるたびにどきっとするが、あの人達はキミにはなれない。
 そういえば、キミが僕の思い通りに動いてくれたことは一度もなかった。だけど、思い通りにならないキミという存在が僕の期待を裏切ったことは一度もなかった。
 この次の電車かなとあきらめて、僕は繰り返し聴いている曲をまた頭から聴きなおす。
 肩を叩かれて振り返ると、いつのまにか背後に笑顔のキミが立っていた。
 待ち合わせをしていたくせに不意をつかれた僕は、イヤホンを外すことも忘れてうろたえた。
「ごめん遅くなって」と謝るキミは見たことのない瓶のジュースを手に持っている。外で飲むにはサイズがやや大きい。
「電車じゃなかったの?」
「ノドがかわいたからね、一つ前の駅で降りた」
 そう言ってキミは笑った。
「どういうこと?」とか「なんでノドかわいたからって電車降りたの?」などと、野暮なことは言わない。
「それで、その謎のジュースを買ったんやな?」とだけ言う。
「そう! これ、すごく美味しいよ。このジュース見たことないよね?」
 そう言うとキミは自分のリュックから同じ瓶のジュースをもう一本取り出し、「はい」と言って僕に手渡した。
「このジュースでかくない?」
「やっぱり、でかいよね? 重かったもん」
 持ち歩くのに適当なサイズかどうかよりも、飲みたいかどうかの方が重要なのだ。

待ち合わせに遅れてきてもこれが原因なら怒るどころか最高にかわいいなとか思ってしまう。
映画でも、でかいわけわからんジュースがリュックからもう一本出てきた瞬間笑ってしまった。

ここ数年は映画観る頻度が減ってたんだけど、こう良い作品を立て続けに観てると、映画欲が高まりますねぇ。すでに予告で次に観たい作品もチェックしたし。コロナで映画館が空いてると快適なので、どんどん観に行きたいところですね。